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横須賀ストーリーズ

YRP誕生記

横須賀ストーリーズ<8>

2016年11月12日YRP一番館ホールにおいて、YRP創立20周年記念式典が実施されました。

京浜急行の電車が「YRP野比駅」に接近し、車内放送が流れると「YRPって何?」といった声を聴くことがあります。鉄道の駅名でアルファベットが使用されるのはあまり見かけませんが、YRPとは、Yokosuka Research Parkの頭文字をとったもので、移動体通信の研究開発拠点として整備された地域です。

YRPがどのようにして整備されたかについては、次回の3月号に譲りますが、1997年10月1日YRP1番館、2番館の完成に伴って竣工式、記念式典が挙行されました。現在では国立研究開発法人情報通信研究機構ワイヤレスネットワーク総合研究センター(以下情報通信研究機構と省略)以下、多くの情報通信研究機関や関連研究機関が立地し、情報通信の先端的な研究が実施されています。

20周年の記念式典では、YRP開設および設立責任者とYRPの長きにわたる発展の責任者に上地横須賀市長から表彰状が贈られ、YRPの中核者会議のメンバーにはYRP研究推進協議会会長から感謝状が贈られました。その後、坂村健東洋大学教授、森川博之東京大学大学院教授の講演があり、最後には情報通信研究機構、YRP内に研究室を持つ大学、NTTドコモの産官学の共同開発による自動車の自動運転システムのデモストレーションが実施され、表彰者の代表が乗車されました。

YRPの公道には、1990年代に自動運行システムのための機器が整備され、情報通信研究機構が独自に研究を進め、2013年7月には公道を使用しての実証実験が行われました。一方テレビでは昨年(2017年12月)に公道を利用しての全国で初の自動車の自動走行実験が実施されたと報道されました。そして、それに合わせるかのようにオリンピック委員会では、オリンピック選手を選手村から競技会場への輸送手段として利用を検討するとのことです。

YRPではこうした全国に先駆けての先端的技術の研究を進めています。桜の時期にYRP裏手の桜並木を歩き、水辺公園まで足を延ばすのも楽しいことだと思います。

(元横須賀市助役 井上吉隆)