横須賀に生まれ育ち、高浜虚子の俳句理念を継承し、長年にわたり活動を続けた俳人高田風人子の作品をご紹介します。
灯台や 海の日ゆえの 万国旗 高田風人子
第4句集『四季の巡りに』(2016年)所収。「海の日」は、明治天皇が1876年7月20日に東北から汽船によって還幸されたことに由来し、1996年に祝日となり、その後、2003年に7月第3月曜日に変更されました。句集によれば、掲載句は2002年の作なので、「7月20日」の海の日ということになります。この「灯台」は浦賀在住の作者にとって身近な観音埼灯台と思料され、そこで万国旗がはためいているという祝日の情景の句です。
(洗足学園中学高校教諭 中島正二)