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よこすか文学館

深尾須磨子(校歌の作詞)

よこすか文学館<85>

横須賀市にある学校(小学校、中学校、高等学校)の校歌制作に関わった著名な文学者、作詞家、作曲家を紹介します。

神奈川県立追浜高等学校(作詞 深尾須磨子/作曲 大木正夫)
世界のうしお とゞろくところ
山は鷹取 青雲燃えて
希望かゞやく この学園に
独立自主の 意気たくましく
たぎるいのちの 力と叡智
鍛えて学ぶ 若人われら
あゝ青春の三年(四年)をこゝに
われらの追浜高等学校
(以下省略)

深尾須磨子(1888-1974)は、大正、昭和期に活動した詩人です。病没した夫の遺稿詩集『天の鍵』(1921年)に自作の詩を加え出版したのが機縁となり作詩を始め、与謝野晶子に師事し『明星』等に作品を発表していきます。海外へ行くことの難しかった戦前に3度渡欧し、フランスの女流作家コレットと交流しその小説の翻訳もしています。戦後は社会批判を込めた詩を書き、平和運動でも活躍しました。詩のほかに小説、性科学など多くの著書があり、師である与謝野晶子の評伝もあります。

(洗足学園中学高等学校教諭 中島正二)