「みんなで楽しむコンサート2021」が8月9日に横須賀市文化会館(深田台)で開催されました。
台風9号の強い風と雨の中、そして、このコロナ禍において、会場入口での検温と消毒、会場内の換気、間隔をあけた座席など感染対策の中、熱心なファン約250名が、ソプラノの松永知史さん、バイオリンの田島高宏さん、ピアノの東誠三さんが奏でる生の歌と演奏に耳を傾けました。
中心となって活動している松永知史さんは、ソプラノ歌手として主にドイツで活動中に、一時的な帰国で、縁あって武山養護学校でお手伝いをしていたころ、施設や学校を訪問し歌を披露する機会が多くありました。ある日、保護者の方から「声や音を発して迷惑をかけないか心配でコンサートホールには行かれない」という声を耳にしたことをきっかけに、「垣根なく来てもらえる場を作ることも私の役割」という想いを抱くようになり、みんなのやさしい、あたたかな気持ちに包まれたコンサートを実行委員会とともにスタートさせました。
モーツアルトの「きらきら星変奏曲」でスタートしたコンサートは、曲にまつわるエピソードを交えながら、ショパンの「ノクターン」、ドボルザークの「ユモレスク」、ヘンデルのオペラ「ジュリアス・シーザー」などと続き、アンコールの「アンパンマンのマーチ」オペラバージョンでフィナーレを迎えました。
「アンパンマンのマーチ」の歌詞を丁寧に聞いたことがなかったのですが、このコンサート、この現在の我々が置かれている環境にぴったりな心に響く曲になりました。やっぱり、やなせたかしさんもさすがです。
「来年もコロナや台風を乗り越えて開催してね」という家族で参加された方が帰る際に、ボランティアスタッフにかけた言葉が印象的でした。
◆松永知史ソプラノリサイタル 10月9日(土)14:00 ヨコスカ・ベイサイド・ポケット
(参考資料「タウンニュース横須賀版」「神奈川新聞」)