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組曲「横須賀」

5月3日(水・祝)によこすか芸術劇場で第38回合唱と管弦楽のための組曲「横須賀」の演奏会が開催されました。

合唱と管弦楽のための組曲「横須賀」は、1983年に横須賀市制75周年を記念して、團伊玖磨氏により作曲されました。混声合唱、児童合唱、ファンファーレ隊を加えたオーケストラのための大編成の組曲形式で5つの楽章で構成されています。

第1楽章 ホルンの力強いテーマで始まり、ふるさと横須賀の歴史を展望する「ふるさとよ」が、近代への歴史の転換を蘇らせる「黒船来たる」を挿入して歌われます。技巧的なフーガが用いられていることも特徴です。

第2楽章 三浦一族の栄枯盛衰の舞台でもあった「衣笠城址」の静寂の中に偲ばせる、過ぎし日の荒々しい戦いの面影が女声三部や男声四部合唱を織り交ぜて奏でられる、叙情的な楽章です。

第3楽章 生き生きとしたユーモラスな「谷戸の物語」と、ダイナミックな「祭」から成ります。科白を交えて賑やかに演奏されるこの楽章は、和太鼓と打楽器が大活躍します。

第4楽章 日本武尊東征の折、走水で海中に身を投じた弟橘媛命の物語を「白きかもめ」に気持ちを託して歌いあげます。荒々しく逆巻く波が静まった後のメロディは、この組曲の白眉といえるでしょう。

第5楽章 児童合唱による「コンニチハ」と横須賀市歌を引用しながら、美しい自然の中で未来への希望を高らかに歌い上げる「この手で」から成り、最後は第一楽章のテーマが回帰して力強く結ばれます。

横須賀交響楽団にしかできない、横須賀のなりたち、歴史、転機となった出来事、人々の暮らしが音で表現されたスペクタクルな総絵巻です。

(参考資料「第38回合唱と管弦楽のための組曲横須賀演奏会のパンフ」)