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ノンカテ

金のオノ、銀のオノ

むかしむかし、ある男が、川のそばで木を切っていました。ところが手が滑って、持っていたオノを川に落としてしまいました。男が困っていると、川の中からヘルメスという神さまが現れ、ピカピカに光る金のオノを見せ、男に尋ねました。

「お前が落としたのは、このオノか?」「いいえ」男は答えました。続けて神さまは銀のオノを出し、「では、このオノか?」と尋ねました。「いいえ」男は答えました。続けて神さまは使い古したきたないオノを出し、「では、このオノか?」と男に尋ねました。

「そうです。拾ってもらってありがとうございます」男は答えました。「そうか、おまえは正直な男だな」 神さまは感心して、金のオノも銀のオノも男に渡しました。

喜んだ男がこのことを友だちに話すと、友だちはうらやましがって、「おれも金のオノをもらってこよう」と、さっそくきたないオノを持って川へ行き、オノをわざと川に投げ入れました。しかし、うそつきでよくばり者のこの友だちは、神さまに怒られ、自分のオノさえも拾ってもらえませんでした。

(参考資料 イソップ寓話「金のオノ、銀のオノ」)