カレーの街づくりについて、商工会議所との協議と検討の指示をすると、事務方の対応は迅速を極めました。商工会議所でも小澤会頭からの指示が出されていたので、トントン拍子に話が進行しました。
かつての横山市政の頃には、市と会議所との共同事業の実施は考えも及びませんでした。そして、自衛隊や米海軍基地についての関係が必ずしも円滑に行われていたとは思えませんでした。しかし、澤田市政に変わってからは、市の主体性を明確にし市民の立場に立った、行政の実施を重視するようにしたために、以前よりも対外的には友好的な関係が醸成され、会議所や自衛隊・米海軍基地との共同事業など、密接な関係が築かれました。
年が明け春になると「カレーの街」の輪郭も見えてきました。そして、1999年度に具体的な事業として、何を、どのように実施するかの計画が出来上がったところで、プレスに発表することにしました。
この発表の仕方で、プロジェクトとしての評価が決定することであろう、従って効果的な発表を考えた時に海軍カレーである以上は、それに関連させる必要があろう。記者クラブや市の定例記者会見の場も考えられるが、マスコミに十分なインパクトを与えるためには条件的には不十分であると考えて、海上自衛隊にお願いして田戸台分庁舎を利用して、「カレーの街」宣言の発表と海軍カレーの試食会ができないものだろうかと、海上自衛隊坂部地方総監にお願いすると心良く引き受けていただけたので、1999年5月20日風薫る五月晴れの中、田戸台分庁舎において、沢田市長・小沢商工
会議所会頭・坂部海上自衛隊地方総監の3人により「カレーの街よこすか」の宣言がなされ、ここに「カレーの街よこすか」がスタートしました。
そして、8月20日には、市役所前公園において第1回海軍カレーフェスティバルが開催
されました。事前に商工会議所に登録をしたカレー事業者が満を持して出店し、味を競い合いました。事前のPRもあり多くの市民も参集し、カレーの食べ比べを楽しんでいました、中には用意をしたご飯が足りなくなり、慌てて店に取りに行くハプニングもありました。仮設舞台では、フォークダンスや子供たちの太鼓の演奏などがイベントを大きく盛り上げてくれました。「カレーの街」スタートの行事は大成功を収めることができました。
(元横須賀市助役 井上吉隆)