横須賀が登場する文芸や横須賀にゆかりのある文学者を紹介します。
草野唯雄
『観音崎灯台不連続殺人事件』(トクマノベル 徳間文庫)
昭和63年(1988年)に刊行された推理小説。人気アイドル青木美奈子の全裸死体が観音崎灯台で発見されますが、奇妙なことに、現場近くに旧帝国陸軍の三八式歩兵銃の銃弾が落ちていました。事件の後、浦賀警察署に一人の老人が訪れ、自分はかつて、旧陸軍が秘匿した武器の隠し場所を記した暗号文書を持っていたが、20年前にだましとられたことを話します。たしかに、その後、三八式歩兵銃を使った殺人が起きていました。浦賀署の北野警部は、知人である警視庁嘱託尾高一幸に協力を要請、尾高は暗号を解読し、20年前の歩兵銃による殺人事件の再検証を行い、アイドル殺人の真相を突きとめようとしますが、さらなる殺人が起きていきます。
(洗足学園中学高校教諭 中島正二)