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横須賀ストーリーズ

自然災害と防災訓練「阪神淡路大震災」2

横須賀ストーリーズ<15>

阪神淡路大震災は想像を絶する自然災害で、全国からの支援によって復旧活動が行われました。横須賀市からも多数の職員を派遣しました。そして、その派遣も長期に及ぶことになり、派遣職員の激励と現地の被害状況の調査などのために2月8日から10日まで神戸市を訪問しました。

(1)給水活動
最初に視察したのは水道局の派遣チームでした。神戸市からの要請で神戸市の西部地区復旧活動のために垂水センターを拠点として活動していました。駐車場には各都道府県、市などの給水車が所狭しと並んでいました。センターの副所長の話では、この地域では市内でも比較的被害が少なく、水道の断水も応援に来ていただいた自治体の力をお借りして万全の対策をとることが出来て感謝していますとのことでした。派遣した職員に被災現場を案内して貰い、給水管の接続などについては横須賀での方式と異なっており、神戸方式を学ぶことが出来たとのことでした。今後の大災害への対応を考えると給水技術の標準、マニュアル化の必要性を考えさせられました。同時に横須賀市内の幹線についても耐震化についての調査、検討を考えさせられました。

(2)医療活動
医療救援チームは、神戸市の要請で神戸市須磨保健所の一室を利用して、その対応に当たっていました。神戸市からの派遣要請のあったときに、医療関係者だけではなく、インフルエンザワクチン等の医薬品も持参してほしいとのことでした。出発前に準備をしていたのが大いに役に立ちました。このチームに参加した職員は、近隣に宿泊施設がなく、事前に神戸市からの情報で寝袋(シュラフザック)を持参して、港に停泊中のフェリーボートが宿泊所として利用することになりました。応援に入った垂水区よりも隣接している須磨区の方が震源地に近く建物被害も大きく、医療の中核となっていた市民病院も大きな被害を受け、利用不能な状況でした。須磨保健所長の話によりますと、今では各市の応援態勢も整えられ所内も落ち着きを取り戻し、対応も順調に進んでるとのことで、地震発生の当日の混乱ぶりが信じられないとのことでした。しかし、今でも被災者の一部が保健所内の事務所などの生活していて、長期化する避難生活とインフルエンザを中心とする感染症と精神的な衝撃を受けた患者へのカウンセリングを継続しなければならないであろうとのことでした。

(元横須賀市助役  井上吉隆)