阪神淡路大震災の救援活動が一段落したところで、三浦半島4市1町の助役と消防局長の会合を持ちました。そして、今回の大震災の救援活動の経験から、もしも、神奈川県西部地震で大災害が発生した場合、1市1町では到底対応できるものではないことが明らかになり、したがって、広域的に対応すべきとの意見が多く出されました。
法律では災害が発生した場合を想定して「地域防災計画」を策定することになっています。その計画書には、自衛隊の救援活動についても記載されていて、その所在地、電話番号も明記されています。しかし、横須賀市以外の市、町では自衛隊の方々とお目にかかったこともなく、電話もしたこともないとのことで意見交換会を実施することにしました。
この会合では、実際に出動された自衛隊の方々の貴重な経験談を聞くことができて大変参考になりました。一方、自衛隊でも三浦半島で大規模災害が発生した場合に、どのような対応をとるのかを検討しました。そして、まず、海上自衛隊が動きました。防災についての展示と訓練をするので共同でどうですかという提案に4市1対応することになりました。訓練は陸路が閉ざされたことを想定しての海上脱出訓練を、それぞれ4市1町の現場に艦艇を派遣し実施することになりました。横須賀市では逸見の人達を総監部前から自衛隊艦艇により海上への脱出訓練が実施されました。もう一つの訓練は、神戸大災害では実施できなかった海の水を消火活動に利用することでした。4市1町では護衛艦と消防ポンプ車との連結によって三浦半島では消防水利が大きく確保されることになりました。
(元横須賀市助役 井上吉隆)