鷹取川は、鷹取山を主な水源としています。鷹取中学校付近を通り追浜南町を抜けて追浜町側の銀座通りを流れる「鷹取川(男川)」と、追浜小学校付近を通り鷹取町を抜けて追浜本町側の銀座通りを流れる「関の入川(女川)」の二つの川が、合流しています。現在は、道路や商店街の下を通る暗きょとなっていて、以前のような自然の流れを確認することは難しくなりましたが、この二つの川が出会う合流地点付近には、昔の面影を残しているところがあります。かつて、この付近に「夫婦橋」という橋が架かっていました。今では日が暮れて、このあたりでばったり逢った人達が、次の店に合流しているようです。合流した男川と女川は、ひとつの川「鷹取川」となって、平潟湾を経由して、東京湾へと注いでいます。
この川は、かつて鷹取山で採石した鷹取石の運搬手段として盛んに利用されていました。ところが、関東大震災以後、川底の隆起による運搬船の航行不能、また、石に代わるセメントの普及による需要低下などの理由から採石事業が衰退し、利用されなくなり、川沿いの宅地化が進むと同時に、生活廃水などにより汚染が進み、悪臭のする汚れた川になってしまいました。その後、川沿いの下水道工事や川底の汚泥処理が進む一方で、「鷹取川ゆめプランナーの会」などが中心となって、河口近くの清掃活動や自然観察会などを開催して、河川の浄化を呼びかけました。その結果、だんだんと綺麗な流れを取り戻し、ボラなどの多くの魚や、かもめやコサギをはじめとする鳥、そのほか数多くの水辺の生き物を見かけるようになりました。さらに、天神橋付近では、4月末から5月初めにかけて、さまざまな色の何十匹もの大きなコイが、歩道橋を駆け上らんとばかりに青空を元気に泳ぐ姿を見ることができます。